鳥インフル発生に伴う過剰反応に注意しましょう!  

■鳥インフルには冷静な対応を

 1月11日、高病原性鳥インフルエンザのさぬき市での発生が確認されました。24日現在、このインフルエンザウイルスは、昨冬にヨーロッパで流行したH5N8亜型がシベリアに運ばれ、そこでユーラシアの野鳥に分布しているHxN6型と混合したものが、渡り鳥によってもたらされたものと発表されています(農研機構,1/24プレスリリース)。

 日本には昨年11月にも、島根県のコブハクチョウから同じくH5N6亜型が検出されており、2種類の高病原性鳥インフルエンザウイルスが侵入していることになりますが、そもそも鳥インフルエンザは、通常の生活では人への感染しません。また、卵や肉を食べての感染も世界的に報告されていません。

 また、野鳥が弱ったり死ぬことは当たり前のことであり、仮に死骸を見つけても、いたずらに騒ぐ必要はありません(ただし通常の注意として、不用意に触ったりすることは避けましょう)。もし同一場所で大量死していたら、県みどり保全課へ連絡してください。

 むしろ注意すべきは、過剰な反応です。

 鳥インフルエンザを恐れて、普通に生活している野鳥を追い払ったり、近所のドバトに農薬入りの餌を撒いたり(犯罪です)することは許されません
 また過去の鳥インフルエンザ騒ぎの際には、飼っている家禽を棄てるという事案も発生しています(高松等でニワトリなど4件11羽遺棄、2004.2.27付け四国新聞)。
 もし、鳥インフルを理由とした野鳥の捕殺があれば、速やかに県や本会にご連絡ください。
スポンサーサイト

category: 狩猟・有害駆除の適正化

thread: 散策・自然観察 - janre: 趣味・実用

tb: --   cm: --

ヒゲガビチョウの情報をお寄せください。  

香川県へも侵入・定着している外来種 ヒゲガビチョウ

ヒゲガビ1
▲ヒゲガビチョウ 性・齢不明・ 綾川町 2016.11.3 PHOTO◎岩田篤志(鳥類標識調査による一時的な捕獲、以下同じ)

四国でのみ確認されている外来種
 ヒゲガビチョウ Garrulax cineraceusはソウシチョウと同じくチメドリ科の外来種。本来の生息地は中国中・南部からミャンマー北部・インド北西部です(MacKinnon & Phillipps,2000)。日本では四国、高知県と愛媛県で繁殖しています(日本鳥学会,2012)。

 最も古い観察記録は1998年9月(愛媛県愛南町)、高知県では2000年8月(土佐町)です。2005年4~5月の聴取調査では愛媛県・高知県で9市町・25例が確認されており、確認地点は低標高地から標高1200m付近まで。この時点でかなりの広がりを見せていました(濱田ら,2006)。図鑑では標高200-2570m、多くは標高1800m以下に生息するとされていますので(MacKinnon & Phillipps,2000)、四国全域で生息可能と考えてよさそうです。
 ソウシチョウが狭い場所で高密度で生息するのに対し、ヒゲガビチョウは低密度で広く分布しているとのことであり(四国外来鳥類研究会,2007)、ヒゲガビチョウの方が「広がりやすさ」では有利なのかもしれません。

 なお、本来の生息地では下記の3亜種が認められています。
 ・G.c.cineraceus  最も西に分布する基亜種、羽色全体が淡色で、頭部に赤栗色部がない。
 ・G.c.strenuus   中国南西部に分布、基亜種よりもやや濃色だが、頭部の褐色部は比較的淡色で不明瞭
 ・G.c.cinereiceps  中国国南東部に広く 分布、全体に濃色で頭部の赤栗色部が明瞭
 これについて、2006年に高知県で2個体を鳥類標識調査により調査した結果では、頭部の赤栗色部が明瞭であることから亜種cinereicepsの可能性が高い(片岡ら,2006)とし、また日本に侵入しているのはこの亜種として掲載している図鑑(Brazil,2009)もあります。

香川県へも侵入
 香川県でも様々な外来種が確認されますが、ドバトなどの古い外来種を除き、完全に定着・拡大している外来種の小鳥類はソウシチョウとハッカチョウくらいです。ソウシチョウは確認された時期・場所から、2004年にレオマワールドから台風で逃げた約150羽が起源であるのがほぼ確実。ハッカチョウも綾歌町での繁殖個体が分散しており、これもレオマワールドから逃げ出した個体が原因ではないかと考えられています。このように、香川県の外来鳥類は、一定数の個体数がまとまって逃げたことが、定着の契機となっています。
 一方、ヒゲガビチョウは愛媛県・高知県で分布を拡大してきたもの。このため、まずは香川県西部で確認されるだろうと考えていましたが、2006年・2007年に諸報告が出て以降も県内での観察情報がないため、香川県にはまだまだ侵入していないのだろうと筆者(岩田)は考えていました。
 ところが2015年10月、香川県にソウシチョウ調査に訪れた県外の研究者によって、綾川町大高見峰でヒゲガビチョウ5羽が確認されました。よりによって香川県の真ん中であり、既にこの地域以西では侵入している可能性が高くなりました。
 その後、県内のウォッチャーによる報告がなされないまま、「まんのう町尾ノ瀬山でもいた」「◯◯で見た」という話を聴くことが多くなり、少なくとも香川県中西部では完全に定着しているようです。またソウシチョウの例からみると高松市公渕公園や藤尾神社でも、近いうちに確認されるのではないかと思います。

香川県での調査が必要
 継続調査をするため、筆者も2015年に確認された大高見峰で鳥類標識調査を実施し、2016年11月・12月にそれぞれ1羽を捕獲・放鳥しました。四国の他地域では広葉樹の二次林、スギ・ヒノキ人工林、落葉広葉樹天然林、モウソウチク林などで記録されていますが(濱田ら,2006)、大高見峰の調査地もスギが植林された谷に隣接するササ林(標高177m地点)であり、スギ林周辺に生息しているようでした。
 しかし2017年1月には声も聴けず、2017年4月には再び声を確認するようになりました。まだ1シーズンだけですが、厳冬期には移動している可能性があります。

 なお、筆者が捕獲したヒゲガビチョウも頭部の赤栗色部が明瞭ですので、亜種cinereicepsの可能性が高く、そうすると愛媛県・高知県と同亜種ということになり、分布拡大してきたという可能性を補強することになります。
ヒゲガビ2
▲ヒゲガビチョウ 性・齢不明・ 綾川町 2016.11.3 PHOTO◎岩田篤志

 10年程度の間に香川県へヒゲガビチョウが侵入したとすれば、今後の10年程度の間に、県内各地で観察される程分布を拡大すると思われます。しかし外来鳥類を駆除することは極めて難しく、現時点ではての打ちようがありません。

 その中で、私たちに「できること」は、記録を残し、同じ過ちを繰り返さないことです。

 いつ、どこに、何羽程度がいるのか。実は見つけやすいハッカチョウ、注目度が高いソウシチョウと比較して、県内のヒゲガビチョウについては、まだほとんど報告されていないにも関わらず、県内のバードウォッチャーの多くは「最近よく見る鳥」として慣れつつあります。
 今、この時が、ヒゲガビチョウの分布拡大の激動期にあたります。いずれ正式な報告にまとめたいとも思いますので、ぜひ香川県でヒゲガビチョウを観察したら、その情報を本会までお寄せください。


ヒゲガビ3
▲ヒゲガビチョウ 性・齢不明・ 綾川町 2016.12.31
翼は丸く、あまり長距離を渡りそうにない。

ヒゲガビ4
▲ヒゲガビチョウ 性・齢不明・ 綾川町 2016.12.31
 尾は特徴的な模様がある。

(参考文献)
・2006,濱田哲暁・佐藤重穂・岡井義明.外来種ヒゲガビチョウGarrulax cineraceusの四国における記録と繁殖.日本鳥学会誌 55: 105-109.
・2006,片岡宣彦・梶田学・梶田あまね.新たな移入種 ヒゲガビチョウ ‐四国山奥の隠者‐,日本鳥学会 2006年度大会ポスター発表
・2000,MacKinnon, J. and Phillipps, K. A Field Guide to the Birds of China. Oxford University Press
・2012,日本鳥類目録改訂第7版,日本鳥学会
・2007,四国外来鳥類研究会.四国地域におけるチメドリ科外来鳥類の定着実態の解明

category: 外来種問題

thread: 散策・自然観察 - janre: 趣味・実用

tb: --   cm: --

香川県で、野鳥の違法飼養を摘発!!  

香川県内で、違法飼養が摘発されました。

昨日、香川県で違法飼養の現行犯逮捕が有りました。
三豊市での事件ですが、高松南署が担当しています。
(6月29日付け四国新聞に掲載されていますが、ネットでは見られないようです。)

直接の容疑はホオジロ1羽の違法飼養。
ただし、他にオオルリ、コマドリ、クロツグミも飼養しており、
計11羽が飼養されていました。

販売目的での飼養も考えられることから、
引き続き、捜査を続けるとのことです。

香川県における野鳥の密猟では、メジロが目的とされる場合が多いのですが、
オオルリ、コマドリ、クロツグミなどの密猟・違法飼養も、以前から何回か摘発されています。

言う間でもなく、原則として全ての野鳥・卵は捕獲禁止です。
繁殖期の盛りでもあり、巣立った幼鳥がよく見られる時期になりましたが、
例年この頃から、密猟事件もよく発生しています。

山で野鳥を捕獲している(カスミ網はもちろん、トリモチ・落とし籠の場合もあります)、
近くの民家の軒先に、カゴに入れられたメジロがある、
早朝、ある建物から一斉に野鳥の鳴き声が聞こえる等、
密猟・違法飼養が疑われる場合は、最寄りの警察、県、本会などのご相談ください。
(本会には、香川県で最も密猟対策に詳しい人間もいます。)

密猟は、決して遠い世界の話ではありません!!

参考→「香川から野鳥の密猟を根絶しましょう

category: 密猟対策

thread: 散策・自然観察 - janre: 趣味・実用

tb: --   cm: --

違法飼養を助長するTV番組について  

スズメをはじめ、野鳥は勝手に捕獲・飼育できません。

日テレ「月曜から夜ふかし」8月29日放送分において、
「香川県のタクシー会社で保護したスズメがなついている」ことを取り上げた放送がありました。
いつも車庫内に営巣する、放し飼いでもすぐ近くにいる等、美談として扱われていましたが、後ろに鳥籠が映っていましたので、通常は籠に入れて飼育していると思われます。

こうした状態では飛翔力が付きません。
また、不必要に人慣れしてしまうと、放鳥に支障が生じかねず、また、この番組を見た人が「うちのスズメでも試してみたい」と思う可能性もあります。
明らかに違法飼養を助長するため、日テレには抗議のメールを入れ、また全国野鳥密猟対策連絡会にも情報提供しました。

本件は、「拾ったスズメが懐いている」ことを美談と思い、テレビに投稿した方が香川県にいるということです
皆さんも誰かから「スズメが飼いたい」等の相談を受けた場合、はっきり「それは密猟になる」とお知らせいただくようお願いいたします。

※通常、野外で出会うヒナは「巣立ちビナ」と言って、親が給餌しています。
 「ヒナは拾わない」が原則ですので、ご理解ください。

日本野鳥の会
野鳥の子そだて応援(ヒナを拾わないで)キャンペーン

日本鳥類保護連盟
『ヒナを拾わないで!!』キャンペーン


category: 密猟対策

thread: 散策・自然観察 - janre: 趣味・実用

tb: --   cm: --

NHK 「さわやか自然百景 備讃瀬戸」が放送されました。  

NHKの「さわやか自然百景 備讃瀬戸」が放送されました。

実は昨年当初から、NHK松山放送局の方から、備讃瀬戸で冬に見られる野鳥や撮影に適した場所など、事務局にお問い合わせがあったものです。
ご希望は冬に水鳥が多い海辺ということでしたが、なかなか香川県でそのような場所はあまり有りません。そこで、ぎりぎり河口で、カモ類・カワウ・サギ、ミサゴがほぼ確実に見られるということで、本会観察会でもお馴染み高松市新川河口をご紹介しました。

同地での撮影は昨年12月中旬に行われましたが、日程が合わずNHKの方とはお会いできないまま終わりましたが、
しかし放送では、新川のカワウ、でっかい魚を咥えて飲み込めずに諦めたアオサギ、ミサゴのダイビング等、野鳥好きとしても楽しめるだけでなく、海中のアマモ場の様子など、短い時間ながら、非常に良い番組でした。
(あのマヌケなアオサギには、助演男(女)優賞を贈りたい。)

詳細は、NHKの「さわやか自然百景」-「過去の放送・放送日別」-「2015年度 1月」-「瀬戸内海 備讃瀬戸」でご覧になれます。

また、1月末まではNHKオンデマンドの「見逃し番組」で(有料ですが)見られるようです。
それ以降は、再放送を待ちましょう。

category: 地域保全

thread: 散策・自然観察 - janre: 趣味・実用

tb: --   cm: --

プロフィール

香川の野鳥を守る会 掲示板

カテゴリ

香川県野鳥関係文献目録

最新記事

月別アーカイブ

ご来訪